結婚式の二次会での服装は、会場によっても異なりますが、やはり女性はおしゃれに着飾って華やかに場を盛り立てたいものです。
中でも華やかに見える「ファー」は、着用に賛否両論があることをご存知でしょうか?
ファーが駄目だとされる理由は?
秋冬に大活躍してくれるファーは季節感を出せるオシャレアイテムですので、結婚式や結婚式二次会で身に付けたいと考える方も多いでしょう。
女性のワンピースやドレスは肩を露出したデザインが多く、肌の露出を抑えるのがマナーと言われている結婚式では羽織ものをするのが一般的です。
フォーマルなワンピースやドレスにファーボレロや、ファー素材のストールを羽織ったり首に巻いたりすると温かいだけでなく季節にマッチしたコーディネートが作れるようになります。
しかし結婚式でのファー着用は一般的にはマナー違反となり、それにはいくつかの理由があるのです。
ファーは動物の毛皮で作られているため、殺生を連想させることから祝いの席にふさわしくないとされています。
クロコダイルやレザーなどの皮製品も、同様の理由で避けられています。
またファーが抜け落ちることも理由に挙げられます。
「抜ける」「落ちる」という言葉は縁起がよくありませんので結婚式のようなおめでたい場所ではタブーですし、
抜け落ちたファーが他のゲストの衣装や料理、引き出物などに入ってしまうと不衛生だからです。
さらには花嫁への配慮に欠けるからという意見も聞かれます。ファーボレロやファー素材の羽織ものはボリュームがありますので、羽織ったり首に巻いたりするだけでもコーディネートを華やかにしてくれます。
しかし結婚式の主役は花嫁です。ゴージャスすぎるファーの羽織ものは、結婚式や二次会で花嫁よりも目立ってしまうこともあるのです。
花嫁と同じ白色のドレスや衣装がNGとされているように、ゲストは花嫁よりも目立たないようにするのがマナーです。
ファーが防寒着だからという意見もあります。寒い時期は皆さんコートなどを羽織って結婚式や二次会の会場までやってきますが、それらを脱いでクロークなどに預けるのがマナーです。
ファーは寒さをしのぐための防寒着として捉えられ、コートなどの上着と同じ扱いになってしまうのです。
防寒着であるファーを羽織ったままで結婚式や披露宴、二次会に参加するのはマナー違反ということになってしまうのです。
しかしファーといっても本物のファーを身に付けている人は少数で、フェイクファーを身に付ける方が大半です。
たとえフェイクファーでもファーを身に付けているということには変わりありません。特に年配の方を中心に結婚式ではファーの着用がマナー違反であるという考えが浸透しています。
結婚式や披露宴では新郎新婦の親戚や会社の方を中心に年配の方も多いですから、ファーの着用は控えるのが望ましいでしょう。
フェイクファーなら良いのかと思われますが、リアルファーとの区別が付きにくいため、どちらにしても避けられる理由は変わりません。
殺生を連想させる、という理由は本当?
結婚式でファーの着用がマナー違反だとされる大きな理由に、殺生を連想させるからということが挙げられます。
毛皮=動物=死というイメージがつくからですが、これは殺生を禁じている仏教の考え方からきています。
つまりこれは仏教信仰者が多い日本独特の考え方となり、キリスト教など他宗教を信仰する人が多い海外ではファーに対する捉え方が異なるのです。
そのため結婚式でのファー着用が必ずしもマナー違反だとは限らず、ゲストの多くがファーを着用しているケースもみられるのです。
しかも日本では結婚式を挙げる場所といえばホテルやレストランといった仏教とは関係のない場所がほとんどでしょう。
現在はインターネットの普及により、たとえ個人の意見であっても、まことしやかにマナーとして根付いて拡散されている場合があります。
ファーは殺生を連想させるから避けるべきだということであれば、本革の靴やベルトも避けなければならなくなり、特に男性は困ってしまうことでしょう。
また、二次会で出される食事も、ローストビーフや生ハムなど、肉や魚がふんだんに使われた料理が並んでいませんか?
日本の結婚式事情を考えてみると、殺生を連想させるからという理由でファー着用をマナー違反とすることに異論を唱える方もいるのです。
抜けた毛を不快に思う人はいる?
先述のように、ファーアイテムの着用がNGとされる理由には、ファーが抜けやすいからということも挙げられています。
「抜ける」「落ちる」といった言葉はおめでたい場所である結婚式にはふさわしくありません。
また、口にはしなくても、心の中では不快に感じている人がいる場合もあります。
抜けないから大丈夫、と着ている本人が思っていても、絶対に抜けないとは限りません。
衛生面で敏感な人、また、アレルギーを持っている人は特に不快に感じることも。
結婚式や披露宴、二次会では他のゲストと近い距離で食事をすることになるでしょう。
ファーから抜け落ちた毛が他のゲストの料理や飲み物に入ってしまったら、その人は不快な思いをすることになります。
また食べ物や飲み物ではなく引き出物の袋に入る、他のゲストの着物やドレス、スーツに抜け落ちた毛がついても嫌な思いをさせてしまいます。
ファーを着用していると自分では毛が抜けたと考える程度ですが、抜け落ちた毛で周りは思っている以上に嫌な思いをしているのです。
招かれたゲストがお互い気持ちよく結婚式や披露宴、二次会を過ごすためにも周りへの配慮が必要なのです。
海外での「ファー」や、ファッションのマナーはどうなっている?
日本では主に殺生を連想させるからという理由で、結婚式でのファーアイテムの着用がNGとされていますが、海外でも同じように捉えられているのでしょうか。
日本ではファーの着用以外にも花嫁さんの色である白色は着用しないなど、それ以外にも服装に関するマナーが多々あります。
日本の常識やマナーと比較するためにも、海外の結婚式やパーティーの服装について詳しく紹介していきます。
日本では結婚式や披露宴、二次会で着用する服装は一般的なマナーに従って、ゲストが自分の判断で決めることがほとんどです。
ゲストの服装に関するマナーもいろいろとありすぎて、気が付かないうちにマナー違反の服装をしているケースも少なくありません。
海外の結婚式やパーティーをみてみると、日本ではマナー違反やタブーとされている服装で参加しているケースも少なくないのです。
海外では新郎新婦がドレスコードを決めてゲストを招待するケースも珍しくありません。たとえばある大物セレブカップルの結婚式では、アイボリーをドレスコードとしていました。
日本ではアイボリーや白は花嫁の色ですから着用はマナー違反ですが、その結婚式ではドレスコードに従って皆さんアイボリーや白を着用していました。
しかも中には日本ではマナー違反とされている肩出しやミニ丈のドレスで参加する方もいたほどです。
他にもドレスコードがパンツスーツである、招待状にカジュアルな装いでという指定があれば本当にカジュアルな服装で参加するなど、日本と比べると服装の自由度が高いのです。
さらには日本ではタブーであるミュールやサンダルでの参加も海外ではマナー違反ではありません。
このように日本の結婚式の常識やマナーが海外では全く通用しないことがほとんどです。もしも海外で結婚式に招かれるようなことが出てきたら、それぞれの国の習慣やマナーに従ったうえで服装を選ぶようにする必要があるでしょう。
国によって結婚式でのマナーやタブーなどはそれぞれ異なります。イギリスでは日本ではNGとされているファーをまとうことはマナー違反ではないのです。
また日本のように肩を露出するのもNGではありませんし、露出度に対しても寛容ですのであまり気にしすぎる必要もありません。
日本では女性ゲストが黒や紺といった濃い目の色のドレスやスーツを着る方が多く見られます。しかしイギリスでは黒や紺といった暗めのいろはお葬式を連想させるため、結婚式にはふさわしくないと考えられています。
このようなマナーが浸透している国は他にもありますのでその点注意が必要です。
こだわり過ぎないようにしましょう
販売店を見ると、フェイクファーがあしらわれたドレスやファーボレロが多く陳列されていることもあり、ファーに対する嫌悪感は若い世代ほど薄れているようです。
ただ、マナーや風習にとらわれる人は、意外と世代を問わず多くいることも事実です。
華やかに見えるファーを身につけたいと思う人は多いかもしれませんが、アクセサリーやストールなどで十分おしゃれに着飾ることが出来ます。
また、ゲストが結婚式や二次会での服装を選ぶ時は、新郎新婦よりも目立たないことを大前提にしましょう。
結婚式や二次会の主役はあくまでも新郎新婦です。
おめでたい場所に招かれたからとつい張り切ってオシャレしたくなりますが、あくまでもゲストは引き立て役なのです。
そして結婚式でのマナーをよく理解して、それに合ったコーディネートをすることが大切になってきます。
結婚式などでは年配のゲストの方も大勢いらっしゃいますし、若い方でもマナーをよく勉強している方もいます。
マナー違反の服装で出かけると周りを不快な気分にさせるだけでなく、常識のない人間を招待したということで新郎新婦にも恥をかかせることになってしまいます。
結婚式の服装に関するマナーは一度学んでおくと、一生涯にわたって役立ちますので今のうちにしっかりと心得ておきましょう。
着る物は個人の自由ですが、あくまでも新郎新婦の友人・知人としての立場も忘れないようにしましょう。